小学四年生と中学一年生のいる我が家。学校から帰ってきておやつを食べたあとおしゃべりをする感じでやってみました。
カードの表の問いは
「だれかがあなたの未来をぬすむことはできる?」
「悲しみはスイッチで消すように消せる?」
などの極めて哲学的な問いから、科学寄りの問い、道徳・倫理寄りの問い、さらに、「ナメクジを全部やっつけられる?」
「木と葉っぱはお友だち?」などユニークな問いもあり、おしゃべりを広げやすい工夫がされています。
カードの裏には、
「そうかな? 本当にそうだと思う?」
「他の考え方もできる? どういう意味?」
「いつもそうだと言える? どうしてそう思うの?」
といった議論が深まるであろう問いが並べられています。
使い方は、まずみんなの顔が見えるように座ります。50枚のカードの中からトランプのように一枚ひいて、そのカードに書かれている問いについて、自由に自分の意見を言います。
はじめは、正解は何なのだろうと、とまどいながら話す子どもも、「いいんだよ、自分が思ったことを言えば」
「面白いね、そういう考え方は新しい」
「えー。どうしてそう思ったの?」と、
こちらが関心を持って問いかけると、次第に気持ちがほぐれ、自分の意見を言うようになります。子どもたちの素直な考え方にハッとすることも多く、感動することもありました。人それぞれ考え方は違うんだ、と短時間で体感できました。また自分で考え、自分の言葉で表現する力を養えるかも、と思いました。
まずは、月に一回程度でも、かしこまらずに、ちょっとした時間の合間を見つけて、自由に話し合うことに慣れさせたいです。
正解のない問いについて、考えをめぐらせて自分の意見になったり、他人の意見を聞きながらまた考える。そうやって「考えること」の楽しさに気づいてもらえそうな気がします。
哲学には正解も不正解もありません。大切なのは自分の頭で考え、それを言葉にすることです。
オランダ生まれのカードで、ヨーロッパの小学校に広く普及している「Ti c k l e Ta l k s 」の日本語版です。6 人から10人程度が円座になり、カードのテーマによって各自が考えを深めそれを自発的に述べます。自分の考えを言葉で表現する力、また他人の考えを理解してさらに考えを深める力が身に付きます。