『イエナプラン
共に生きることを学ぶ学校』
イエナプランとは「他者と協働し、違いを受け入れ、平和で民主的な社会を築いていく未来の子どもたちを育てようとする教育ビジョン」です。そして本書は、この教育ビジョンを実践するための、オランダで刊行された最新のイエナプラン教本の日本語翻訳書です。
「学校は何をするところ?」と問われたら、「〈勉強〉するところ」と答える方が多いでしょう。しかし、イエナプラン・スクールでは〈勉強〉より〈対話・遊び・仕事(学習)・催し〉を通して他者と関わり、協力して生きることの喜びを学びます。
本書には、イエナプランの起こりや基本理念、また50年以上の研究や応用を基にした実践例や様々なアイデア、そしてイエナプランをより深く発展させるための要点が書かれています。イエナプランを初めて知る人、もっと学びたい人の必読書です。
▼ 本書は以下の3章から構成されています
第1 章 イエナプランってなに?
イエナプランはどんな風に生まれオ
ランダのイエナプラン・スクールは
どうやって実現されてきたのでしょ
うか?
第2章 イエナプランをやってみよう!
オランダ・イエナプラン協会が作成
したイエナプランのコア・クオリ
ティについての説明・例示・チェッ
クリスト。
第3章 イエナプランと共に歩む
よりイエナプランらしくなるための
3つのステップ:グッド・ベター・
ベスト。あなたのファミリー・グルー
プや学校でイエナプランをもっと発
展させるために。
『手のひらの五円玉
私がイエナプランと出会うまで』
著者、リヒテルズ直子さんの初めてのエッセイ本です。
手のひらに五円玉を握りしめた子どもの頃から、マレーシア留学、アフリカ、ラテンアメリカでの暮らし、そしてオランダと、今に至る人生を振り返りながら、イエナプランに出会うまでをまとめました。
リヒテルズさんは、日本にイエナプランという教育ビジョンを紹介し、その普及に尽力しています。イエナプランに関する著書も多数出されていますし、小社でも同時発売で訳本を出版します。なぜ、著者がこんなにもイエナプランに惹かれたのか…。イエナプランって、どんな教育ビジョンなのか? 本書から、イエナプラン初心者の方でもその答えをやさしく読み解けます。ワンテーマ4〜6ページで、
読みやすさにもこだわりました。教育に携わっている人にはぜひ、子育て中のお父さん、お母さんにもぜひ読んでいただきたい一冊です。
▼ 目次(一部抜粋)
第1 章 育んでくれた故郷の人々
● 直子を世界に翔ばせなさい!
● 諦めるなら10 年してから
第2 章 海の向こうでめぐりあいし会いし人と社会
● マレーシアのインド人家庭に下宿して
● 厳しい自然と人間の限界
第3 章 アメリカンスクールでの子育て奮闘記
● 入学第一週目で怒り大爆発
● 保護者を大切にする学校
第4 章 オランダという国
● 違いを受け入れ違いを伸ばす学校
● 社会がみんなで子どもを育てる
第5 章 わたしが出会ったイエナプランナーたち
● 共に生き、子どもを輝かせる
● インクルーシブな社会は学校から
終章 子どもへの関わり方11 のヒント
● 子どもの力を信じて
● 競争でなく協働を褒めよう
リヒテルズ・直子
九州大学大学院修士課程(比較教育学)及び博士課程(社会学)単位取得修了。アジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国に歴住後、1996年よりオランダに在住。同国の社会事情や教育について研究をしてきた。特に、オランダのイエナプランを初めて伝えたイエナプラン教育の第一人者として、日本イエナプラン教育協会の設置と発展に貢献。現在同協会の「特別顧問」であり、オランダではイエナプラン教員の専門資格を持つと同時に、イエナプランの発展に貢献した人に贈られるエイル賞の受賞者でもある。2011年以来、オランダで毎年数回、本講座で使用するテキストの著者二人とともに、日本人向けの各種の研修を企画し、指導と助言にあたってきた。著書多数。子どもたちの「対話力、考える力」を引き出す『てつがくおしゃべりカード』『てつがく絵カード』(以上ほんの木)日本語版訳者。