さっきまで家事をしていたと思ったのに、しばらくして気配がなくなり、どうしているのかなと探すと、ベッドに腰かけうな垂れてじっと座っている・・・
私もまだ少し生かされたみたい
3月27日に突然脳出血で倒れ、救急車で病院搬送。約1ケ月の治療入院、続けて約2ヶ月のリハビリ入院を経て、母は6月末に自宅に戻りました。
病院から戻ってすぐの母は、帰宅できた嬉しさのあまり気持ちが高揚。
「私もまだ少し生かされたみたい」と喜び、新生活にワクワクしていました。
帰宅前にリハビリ入院で、炊飯器の使い方、味噌汁の作り方、洗濯機の使い方、掃除機の使い方などひととおりの家事、炊事の実習を行っていたようです。帰宅当初はその実習成果を、ニコニコしながら自慢げにはなしていました。そうはいっても、実際のこととなると身体が動かないのは誰が見ても一目瞭然です。
母は「要介護2」の認定を受けていたので、しばらくしてケアマネさんが訪ねてきました。そこで、今後の母のサポートについて打ち合わせが始まります。
「リハビリ入院明けの時は、たいていの方が元気ですが、今後、ストンと落ち込むこともありますから気をつけてください」
その時の私は、そう言われてもその言葉を聞き流す程度であまり気に留めていませんでした。その後7月は、母が生活しやすいように家の中の片づけをしたり、ヘルパーさんへの依頼事項の確認、デイサービスへの復帰の手続きやらで慌ただしく、時が過ぎました。
8月に入って体調に異変が見られる
さっきまで家事をしていたと思ったのに、しばらくして気配がなくなり、どうしているのかなと探すと、ベッドに腰かけうな垂れてじっと座っている。そんな様子が見受けられるようになりました。
始めは猛暑のせいじゃないか、ちょっと疲れているのかな、くらいに思っていましたが、暑さや疲れとは関係なく、周期的に気分の落ち込みがあるようです。でもその落ち込みは長続きせず、少しするとまた元の状態に戻るので、特別に対処することなくしばらく過ごしていました。
定期検診で脳神経外科に行く
8月24日に定期検診で、脳神経外科の担当医のところへ行きました。退院後の脳の様子を調べるためです。
慌てるといけないので朝8時に出発し9時に病院に到着。受け付け手続きを済ませ、まずは血液検査を受けました。前日の夕食以降即時抜きでしたので、検査終了後お腹が空いたと、そのまま病院内のコンビニに行き、太巻き2個といなり寿司3個のセットを1パック購入。ペロリと完食。食欲は衰えていないようです。
それって脳卒中うつかもしれません
その後、脳のMRI検査を受け、医師の診療です。検査の所見からは以上は見つかりませんでした。
「何か気になることはありませんか」と医師から尋ねられたので、前述の母の症状について話しました。
「それって脳卒中うつかもしれません」
そういうのがあるんだ・・・。さっそくインターネットで検索して調べました。
どうやら、脳卒中を起こした後はうつになりやすいようです。
「脳出血や脳梗塞などの病気を起こしたあと、約20~40%の患者さんにうつ病の発症がみられるようです」そうです。
脳出血や農姑息などの病気では、脳の血管が阻害されるわけですが、このとき脳の中の気分や感情にかかわる部分が影響を受けて、抑うつ状態が現れることがあるらしいです。さらに、これに生活環境上のすとれるが加わるとうつが発症するという記事がありました。
当たり前だけど家族だからできない
治療法としては
「孤立を防ぐ」
「患者に肯定的な関心を示す」
「気にかけているというメッセージを伝える」
「本人の自尊心が保たれる居場所や立場を確保する」
「悲観的な発言に対して本人の気持ちを理解する」
「本人のつらさを一緒に乗り越えるといったスタンスを取る」
「成功体験を積める機会を増やす」
「ポジティブなことを見出す」
と書かれています。
確かにこれらのことは、うつ改善に効果があるとよくわかります。しかしながら、これって近過ぎて家族にはできないことばかりです。
ということで、この件についてここから先は、まだ私たち家族間で解決策が見いだせていません。
生活環境上のストレスが原因らしい
母との介護生活をしていて、一つ思ったことがありました。それは「うつに限らず、生活上のストレスは誰でも持ち合わせている」「そのストレスに適切に対処することができれば、ワンランク質の高い生活を確保することができる」ことです。
では、ストレスをどうやって特定するかということですが、さらにネットで調べてみるとストレスを可視化する方法を見つけました。(社会的再適応評価尺度 Holmes&Rahe、1967)
これは生活上の出来事のストレスの度合いを数値化したものです。例えば、たいへんストレスの高い「配偶者の死」を100としたとき、離婚は73。怪我や病気は53。転職は36。転居や転校は20。またストレスはネガティブなことだけではなく、ポジティブなことでも生じます。例えば結婚は50、昇級や昇進は29、休暇は13と肯定的なことでもストレスを受けます。
ストレスも原因がわかれば解決策が見えてくる
自分がストレスを受けている状態が分かれば、「今は、少しゆっくりして心と体を整えよう」「しょっと背伸びして新しいことに挑戦してみよう」と、自分で判断できるようになります。
「ストレスをやみくもに闘わない」
「ストレスを見えない敵にしない」
相手が特定できれば、それに対して戦略を立てて、その戦略を実行すれば怖くない。
さて、母のストレスと私のストレスにどう折り合いをつけていけば良いのか・・・。介護はまだまだ始まったばかりです。
1959 年生まれ。大学では工学部電子工 学を専攻。1984 年大卒後IHI に入社。火 力発電所の制御設計に携わる。1986 年3 月にIHI を退社。4 月から頭とお金を提供 してくれた創業者柴田さん、体と汗を提 供した私、他1名でほんの木設立の準備が スタート。1986 年6 月に、株式会社ほん の木創業。2003 年より代表取締役。
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