日本に真の幸せをもたらすリベラルな市民者の創造に向けて。
大蔵官僚・法務大臣として行政、衆議院議員として立法、弁護士・
法務大臣として司法の「三権」に当事者として携わった著者が問う、渾身の政策論。
世襲政治家が政界の主要ポストを占めるわが国では国の行方を左右する政策についての議論が深まることは期待できない。安倍政権の政策の問題と、その対策は?皆さんに紹介し今後の政策議論に資していきたいという本格リベラル派の著者の思いが綴られた一冊。
- 内容
- 安倍政権下の「一党独裁」ならぬ「一強多(他)弱」と言われる政治状況の下では、十分な政策論議を経ることなく決定
(採決等)が行われるという事態が頻発しています。
また、権力者にとっての都合の悪い情報が抑え込まれたり、マスコミにおける暗黙の情報操作に拍車がかかってきました。
2009年、民主党政権が誕生し、内閣府副大臣兼国家戦略室長、総務副大臣、法務大臣等を経験し、政治家浪人中に働いた弁護士としての経験も含め、立法、行政、司法という国権の三権の中に身を置いた経験から安倍政権の政策に関して、どのような問題があり、どのように考えていくべきなのか、あるいはどのような対策があり得るのかをまとめました。
目次
はじめに
◆第1部世界の平和と日本の安全を創るために
第1章「集団的自衛権の行使」容認は「平和国家・日本」を壊す
第2章「昭和の不平等条約」日米地位協定を問う
第3章核軍縮への道、「北東アジア非核地帯条約」の実現に向けて
◆第2部日本経済と地域経済の再生に立ち向かう
第5章アベノミクスは本当に日本経済を再生できるのか?
第6章日本財政の累積債務問題と財政健全化をただす
第7章地域再生を促す「自立的な」地方経済政策
第8章「脱原発」を目指して
◆第3部日本の治安と市民の人権を守る
第9章「共謀罪」に見る治安と人権との相克
第10章死刑制度、乖離する世界の潮流と日本人の意識
第11章「取り調べの可視化」と「人権委員会」設置
◆第4部リベラルな市民社会の創造に向けて
第12章靖国神社の参拝問題を問う
第13章教育に政治はどうかかわるべきか
第14章時代遅れの家族観と歪んだ女性観をただす
あとがき
【資料】「国際的な協調と共存を図るための平和創造基本法」(要綱素案)
著者について
平岡秀夫(第88代法務大臣)
第88代法務大臣。
1954年山口県出まれ。1976年大蔵省(現在の財務省)に入省。内閣法制局参事官としても多くの重要法案の整備に関わる。
法務大臣として、死刑制度についての国民的議論を呼び掛けるとともに、人権委員会設置法案を取りまとめる。
また「脱原発ロードマップ第1次提言」と「脱原発基本法案」を取りまとめた。
*アベノポリシー…この言葉は私の造語です。その意味するところは、典型的には「安倍政権が新たに始めた、あるいは
始めようとしている政策」ですが、「従来の自民党政権時代から続いているものであっても安倍政権の下で変えようとして
いない政策」を合わせた諸政策のことです。
ISBN
978-4-7752-0091-9
出版年月日
2015年6月30日
判型・ページ数
四六版・272ページ