コロナ禍の今だからこそ来るべき「新しい社会」を構想するとき。

コロナ禍で見えた、冷酷で厳しい世界の仕組み。それとはまったく逆の発想で経済を回してきたのが協同組合です。地域に密着した協働組合が柱となり「社会的連帯経済」を構想する時。

今、求められている新しい社会は自己責任を押しつける社会ではなく相互扶助・共助を中心とする社会。
誰一人とりこぼさず楽しく豊かに暮らす方法を求め、協同組合の必要性を考えます。

内容
社会運動 No.441
コロナ禍のなか、徹底した自己責任を要請する政府。
医療体制は崩壊し、生活困窮者や路上生活者は増加。政府は「新しい行動様式」を提唱し、人々に「行動変容」を求める。
しかし、今、私たちが変えるべきなのは、コロナ禍をはじめとするいかなる社会問題の解決も個人の責任に帰してしまうこの社会の論理である。

「日本では子どもの7人に1人が貧困状態にある」ことはマスコミも報道するようになり、子ども食堂は全国で3700カ所
以上に広がった。しかし、「子どもの貧困は、親の貧困が原因であり、救済すべきは親である」と考える人はどれほど増えただろうか。
国や自治体が生活保護受給者や路上生活者への支援策に本格的に取り組もうとしないのは、結局、「子どもの貧困は本人の責任ではない」けれど、「成人である親の貧困は本人の責任」と多くの人が考えているからではないだろうか。

コロナ禍のいまだからこそ「新しい社会」を構想する時だろう。
それは地域に密着した協同組合が柱となって、相互扶助・共助・互恵を原理とする「社会的連帯経済」への道である。
過去数十年の間にすべての大陸における様々な国で広く普及してきた「社会的連帯経済」をようやく日本でも社会に広げる時がきた。
目次
特集 コロナ禍の協同組合の価値 社会的連帯経済への道

●FOR READERS コロナ禍だからこそ「新しい社会」を構想しよう
●奮闘するニューヨーク市の協同組合
●重層的な韓国の社会的経済
●スペインの社会的連帯経済の多様性
●ローカルSDGsで「コロナ後」を展望する
●コロナ禍における社会的連帯経済の価値
●持続可能な日本と地域社会ビジョン
●新しい時代を切り拓く地域循環共生圏
●コロナ後の社会を「第四の消費」を通し見ていく
●ワーカーズ・コレクティブの価値

連載
●韓国語翻訳家 架けられた橋の上に佇む 第6回
一人言といってもまぁ、いろいろとあるのだ
●悼みの列島 日本を語り伝える 第18回(最終回)
戸山人骨が伝えること ライター
著者について
アリ・イッサ (ニューヨーク市協同組合経済同盟)
シャイアナ・レイン・ウェーバー(ニューヨーク市協同組合経済同盟)
崔珉竟(京畿道城南市社会的経済支援センター センター長)
廣田 裕之(社会的連帯経済研究者)
伊藤 由理子(生活クラブ連合会 会長)
栁澤 敏勝(明治大学教授)
古沢 広祐(國學院大學 研究開発推進機構客員教授)
和田 篤也(環境省 総合環境政策統括官)
三浦 展( 消費社会研究家)
田中 夏子(協同組合研究者)
斎藤 真理子(韓国語翻訳家)
室田 元美(ライター)
ISBN
978-4-7752-0128-2
出版年月日
2021年1月15日
判型・ページ数
A5判・140ページ
商品番号 20221

【441号】コロナ禍の協同組合の価値
-社会的連帯経済への道-

社会運動 No.441
市民セクター政策機構
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