今飲んでいる薬は適切なものですか?
医師に処方されたまま飲んでいる薬を私たちはほとん
ど知らない。今飲んでいる薬は、本当に適切なのか、
薬の処方を利用者の立場から改めて考える。
誰もが知っておくべき「飲まなくても良い薬」や「薬のやめどき」を紹介します。
さらに新薬の開発競争や販売方法など、医薬品ビジネスの裏側もお伝えします。本書を読めば薬の見方が変わります。
- 内容
- 社会運動 No.435
今飲んでいる薬は適切なものですか?
どの薬を処方するのか、その判断は医師に委ねられている。
製薬会社は自社の薬を医師に使ってもらうため、様々な営業活動を行っている。手っ取り早いのは医師への謝礼金。
例えば、研究開発費や原稿執筆料などだ。ただし世間からの批判を浴びて、こうした医師への支払いについては2014 年から
製薬会社も公開している。
ところがいまだ、製薬会社からマスコミを通じて医師に支払われる謝礼はブラックボックスのままだ。
例えば、製薬会社は広告代理店を通じて通信社に新薬の情報を提供する。そして通信社は、全国のメディアに、あたかも客観的な
「報道」として記事を配信し、全国の新聞が掲載する。その「報道」にコメントをしてくれた医師に謝礼が支払われるという仕組みだ。
こうして市民には見えない形で製薬会社・メディア・医師が連携して薬は販売されている。
医師に処方されたまま飲んでいる薬を私たちはほとんど知らない。今飲んでいる薬は、本当に適切なものかのか?
薬について真剣に考えてみたい。
目次
特集 医薬品の裏側 クスリの飲み方を考える
●薬をめぐるいくつかの風景
Ⅰ 医薬品問題の構造
●FOR READERS 薬の裏側を私たちは何も知らない
●新薬販売のために設定した製薬会社の巧妙な仕組み
●薬にはやめどきがある
●TPP は、薬剤にどんな影響を与えるのか
●「正常病」から、逃れるために
Ⅱ クスリの飲み方を変えてみる
●「よく効く薬」とは何か
●「治療より快復」を支援する草の根の活動 精神科の多剤大量処方を被害者の立場から考える
●発達障がいといわれる子どもへの投薬について考える
●高齢者と薬のつきあい方
●暮らしの全体像から処方を見直す 高齢者の医薬品適正使用の指針を読む
●サプリメン卜・健康食品は本当に必要か
連載
●韓国語翻訳家の日々 子育てはつづくよ 最終回
え?それないわ? 韓国映画、救いなきラス卜について
●悼みの列島 日本を語り伝える 第12回
沈められた青函連絡船 津軽海峡をまたぐ戦争
著者について
鳥集徹(ジャ?ナリスト)
長尾和宏(医師)
寺尾正之(日本医療総合研究所研究委員)
井上芳保(社会学者)
深井良祐(薬剤師)
中川聡(全国オルタナテイブ協議会代表)
石川憲彦(児童精神神経科医)
炉裕和(医療法入社団つくしんぼ会理事長)
溝神文博(国立長寿医療研究センター薬剤部)
左巻健男(元法政大学教授)
斎藤真理子(韓国語翻訳家・ライター)
室田元美(ライター)
ISBN
978-4-7752-0119-0
出版年月日
2019年7月15日
判型・ページ数
A5判・146ページ