差別のない社会をつくろう

ヘイトスピーチはなぜ繰り返されるのか。〈br〉 ネット社会とヘイトスピーチの問題、差別を止めるための道筋、行動をまとめた一冊。

「ヘイトスピーチ解消法」が施工されたが、外国人に対する差別的言動を違法行為とは断定しない国。そればかりかヘイトデモを繰り返した人たちが作った人種差別政党が地方議会選挙に進出する状況。排外主義を克服し、他社と共生する社会を作るにはどうすべきか。

内容
社会運動 No.432
「ヘイトスピーチ抑止法や条例ができても、われわれが政権を取ってひっくりかえせばいいだけの話。条例と法律を作った人間を
必ず木の上からぶら下げる」。
2019年4月の統一地方選挙に向けて神奈川県の立候補予定者を紹介する場で、「日本第一党」の党首は、こう言い放った。
彼らは東京、神奈川、京都、大阪、福岡などで候補者を擁立する。

「日本第一党」の母体である「在日特権を許さない市民の会」は06年に発足し、会員は公称1万5000人。
新宿区・新大久保や大阪市・鶴橋、川崎市・桜本など在日コリアンが多数住む町で、嫌がらせを繰り返してきた。
全国各地の街頭でも「殺せ、日本を出て行け朝鮮人! 」と叫びながら、数多くデモを行った。

「ネトウヨ」と呼ばれ、インターネットの中で匿名の書き込みをしていた彼らが、公然と市民社会に登場し始めたのである。
統一地方選をひかえた今、私たちは何をすべきなのか考えてみたい。
目次
特集 ヘイトスピーチは止められる 差別のない社会をつくろう
●あらためて「世界人権宣言」を

I ヘイトスピーチは、なぜ繰り返されるのか
●FOR READERS 地方議会選挙に進出する人種差別政党
●来年の統一地方選に出馬するヘイ卜政党、日本第一党の正体
●日本人は植民地とどう向き合ってきたのか
●排外主義がはびこる社会で「対話」を促す

II ヘイトクライムの現場から
●京都朝鮮学校襲撃事件と裁判がもたらしたもの
●ヘイ卜デモの標的になった川崎の多文化共生地区、桜本の闘い
●朝鮮学校の生徒と歩む、共生社会への道
●「ニュース女子」に見るヘイ卜クライム
●あれから―「ニュース女子」の放送後
●ネット社会とヘイトスピーチ
●全国初の大阪ヘイトスピーチ対処条例は差別発言にど乙まで対応できているのか
●ヘイ卜に利用される選挙 葛飾区議会からの報告
●札幌市に「人種差別撤廃条例」をつくろう

III 差別を止めるための道筋
●社会を破壊する差別を食い止める
●ヘイトスピーチ解消法の施行から2 年 問題点をみつめ、新たな法律を
●日本の差別禁止の取り組みは不十分
●ドイツにおけるヘイ卜スピーチ・ヘイ卜クライム規制とデモクラシーの活性化

連載
●韓国語翻訳家の日々 子育てはつづくよ 第5回
スマホのアプリで息子の軍隊生活を覗く
●悼みの列島 日本を語り伝える 第9回
95年前の過ちをたどる関東大震災での大虐殺
著者について
安田 浩一(ジャーナリスト)
前田 朗(東京造形大学教授)
塩原 良和(慶慮義塾大学教授)
中村 一成(ジャーナリスト)
金 志成(京都朝鮮初級学校教員)
石橋 学(神奈川新聞記者)
ビビンバネッ卜
辛 淑玉(のりこえねっと共同代表)
津田 大介(ジャーナリスト)
郭 辰雄(コリアNGOセンター代表理事)
葛飾・生活者ネットワーク
石川 さわ子(札幌市議会議員)
梁 英聖(反レイシズム情報センター代表)
金 尚均(龍谷大学教授)
坪郷 貫(早稲田大学名誉教授)
斎藤 真理子(韓国語翻訳家・ライター)
室田 元美(ライター)
ISBN
978-4-7752-0114-5
出版年月日
2018年10月15日
判型・ページ数
A5判・192ページ
商品番号 20212

【432号】ヘイトスピーチは止められる
差別のない社会をつくろう

社会運動 No.432
市民セクター政策機構
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