健康リテラシーの重要性
高橋さん:
そうですね、事実は事実としてまず受け止めなければいけませんが、何が問題なのかということに関しては、私も専門家ではないので分かりません。
今回の件を一つの例として言うと、一言で言うのは非常に曖昧な言葉で申し訳ないのですが、「健康リテラシー」をどう養うかということだと思います。
例えば、口から出た事実、あるいはある一定の範囲で区切って出てきた事実は、きっと全て正しいのでしょう。
しかし、全体を通して見た場合、その部分がどういう影響があって出てきたのか、全体を表していることなのか、あるいは部分的なことなのかというのは、もう少し様々な情報を集めた上でないと、真実にたどり着きにくいと思います。
川村さん:
印象としては、軽々には申し上げられないかもしれませんが、「お手軽に中性脂肪が落ちる」とか、「血圧が下がる」とか、手軽に入手しやすい錠剤という形で取り入れているものの、それが必ずしも保証されたものでもなければ、エビデンスが明確なものでもない、ましてや機能性食品自体が非常に基準の曖昧なものであるということが露呈してしまっている中で、これからどのようにして私たちは健康、自分たちの健康に良いとするものを入手していったら良いのか、手に取っていったら良いのかということが、非常に不安になっている方が多いのではないでしょうか。
高橋さん:
そうですね。
先ほど感想を述べていただいた方の中に、大分県の方でしたか、最初の方で「丁寧に手間をかけて作っているところが分かりました」、「世の中がどんどん豊かになっていくのに、病人が増えてきているのはなぜか」というお便りがありましたが、この話と似通っている気がします。
この問いに対して、なぜかと一言で答えるとするならば、私なりの考え方ですが、世の中のスピードが人間の思考の限界のスピードを遥かに超えてしまっているように感じます。
高橋さん:
そこで、人が手が加えられない形で物事が動いているので、当然トラブルや事故が起こるという状況が今の世の中なのではないかと思います。
胃腸と健康
川村さん:
そういった意味で改めて、今回このシリーズを健康やり直し倶楽部という形で、食を通してどのようにして健康を手に入れたら良いのか、様々な知見を混ぜながら、勉強していく、お互いの可能性、健康の可能性を各先生方の知見を見ながら確認していきたいと思っています。
今日の本題でもありますが、「胃腸が決める健康力」というテーマ、第2号のテーマで言うと、例えば石原結實先生から学ぶ「病気の出発点は腸にある」という点です。
私も拝見して、やはり腸は「第二の脳」とも言われていて、ミトコンドリアと呼ばれるものが腸内で生きて活性化することによって、様々な予防につながるということだと思いますが、そこをベースにしながら、西原先生が挙げられている、どのようなことをすることによって病気をコントロールできるのか、身体を正常に保つためにはどのようなことに気をつけなければいけないのか、ということを踏まえながら、腸について言及されています。
一言で言えば、冷やさないということも含めて書かれていると思いますが、私自身も「腸と体温の関係」は一つのポイントなのではないかと感じています。
そのあたり、どのような知見で編集長はお考えになっているのでしょうか。
高橋さん:
体温は、まさに健康を見る上でのキーワードの一つだと思います。
ただ、体温には大きく分けて2つあると言ったらおかしいかもしれませんが、いわゆる発熱した時に脇の下や口の中で測る温度と、体の腸内温度、深部温度と言ったら良いのでしょうか。
体の内部の温度は比例はしていますが、同じではありません。
その時に言う「冷え」に関して言うならば、手足の末端が冷えているとか、頭がカーッと熱くなっているというのは、体の表面に起こっている作用でもあります。
元気だけれど手足が冷えているという人もいます。
それはどういう現象なのかということに関しては、様々なその人の持っている、証(しょう)というのでしょうか、漢方的な言い方になってしまいますが、バイタル、元気の具合がどういう状況なのかというのは、見方が色々あります。
数値で判断することも一つの目安にはなりますが、それだけに頼らない方が良いと思います。
川村さん:
私自身、趣味でトライアスロンというスポーツをやっているのですが、たまたまコロナ禍のレースの時に、コンピューターの方で情報が送られてきて、毎日体温を測って報告しなければいけないというルールがありました。
2年くらい前のレースだったのですが、それ以来、癖になってしまい、私自身、体温が36度前後なのですが、決して体温は高くありません。
以前はもう少し高かったような気がするのですが、年齢とともに体温がどんどん下がってきている気がして気になっています。
かといって、どうすれば体温を上げることができるのか、方法がよく分からなかったのですが、やはり腸内免疫力を高めることと体温が徐々に数値的に上がっていくということは、何か比例するのかなと、何となく感覚的に思っています。
体温を上げる研究で、何かそのようなお話はありましたでしょうか。
高橋さん:
そうですね。
この本の中で言うと、体温を上げる方法としては、食からのアプローチ、運動すること、筋肉を活性化させること、そして気持ち、ストレスを溜めないことなど、様々なアプローチがあります。
人によって得意なところ、不得意なところもありますし、体格によって食も量が変わってきますし、日常的な生活で何をしているかによっても変わってくると思いますので、自分なりの目安、指標を持っているのはとても良いことだと思います。
川村さんは毎日定期的に体温を測っていらっしゃるのですよね。
川村さん:
毎朝、時間もほぼ大体5時か6時くらいに測るようにしています。
高橋さん:
体温も日内リズムの変化や、月による周期のようなものもあるかもしれませんし、それらを含めて、目安としては、ある体温が何度だということにあまりこだわるのではなく、自分が調子が良い時の状態から、今日は高めかな、低めかなという目安を持っていると、自身の状態に適した形で対応できるのではないでしょうか。
川村さん:
ありがとうございます。
参考になります。
今回の第2号の中身を見ると、各先生方、西原先生をはじめ、安保先生の言及もそうですが、本当に具体的ですよね。
症状の事例があったり、安保先生に関して言えば、腸内免疫を高めるための食材と食品に関して、どのようなものを具体的に摂れば良いのかという、実践的な話が随所に盛り込まれているところが、驚くほど実用書というか、抽象的な話ではなく、具体的な話として読めるのが魅力的で、一つ一つこれを実践したらどうなるのだろうと、試してみたくなる記事が満載です。
高橋さん:
そうですね。
今、ちょうど安保先生の話が出ましたが、安保先生はそもそも免疫学の大家で、顆粒球、リンパ球の動態の話など、直接お話を伺うと、専門用語が次々と出てくるのです。
私は一般の方に向けてお話をしたいので、安保先生に「一般の方向けに分かりやすくお話ししてください」と何度もお願いするのです。
しかし、先生は専門用語を使わない言葉のバリエーションを持っていないので、それに対して私が質問していくわけです。
例えば、「腸内免疫を上げるための食べ物ってどんなものがありますか」と聞くと、「なんで私にそんな質問をするんだね。自分で調べなさい」みたいなことを言われるのです。
それでも、2か月に1回、直接新潟まで行ってお話を伺いました。
川村さん:
新潟大学の医学部でいらっしゃいましたからね。
高橋さん:
そうです。
このカラーの号をやる前に、「自然治癒力や免疫力を高める講座」というのを12冊ほどやっていて、この講座のテキスト作りでも、2か月に1回通っていたのです。
そうすると、2か月に1回が「またか」みたいな感じになっているので、最初のうちは一生懸命話してくれるのですが、また同じようなことを別の切り口から聞くと、忙しい方なので「この間話しただろう」みたいなことを言われるようになり、途中からは「あとは自分で考えろ」みたいに言われてしまったりしながら、「先生、そんなこと言わないでください。私もよく分からないので」と言いつつ、話をしていく中で、色々なアイデアをさらに出していただいたということで、今回もこのテーマで、このような話になったという形です。
川村さん:
非常に実践的な生活そのもののやり方、日々どうやって過ごすのかという非常に実践的なお考えに基づいて、それを医師としての理論としてきちんと構築なさっている方なのだなという印象を受けました。私も一度先生のお話を伺ったことがありますが、すごい迫力というか、びっくりしたことがあります。
とても印象に残っている先生のお話でした。
その他に、今回の第2号に関して、ここをぜひ見てほしいという点はございますでしょうか。
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